ファッションとビューティー(コスメ)。「装う」「自分を表現する」という点では、切っても切り離せないものだ。しかし、それぞれの商品を販売する店舗スタッフの制服は似て非なるもの。服を売る店は制服の貸与があっても自由度が高いが、コスメはきっちりとした制服制度を敷いている店が多い。その美容部員の制服が昨今、時代の進歩とともに進化している。自分で好きな着こなしを選べる多様性やデザインとしての格好良さをキーに、ファッションデザイナーや企業と組んで制服を刷新する動きが目立つ。ここ数年で変更した注目ブランド「ルナソル」「アディクション」「アスレティア」「コスメキッチン」の制服を探る。
「ルナソル」仕事以外でも着たい制服
ブランドの価値、意志を込めて
ベージュのアイシャドーが人気の「ルナソル」。ラテン語で月と太陽を意味するブランド名の通り、「多面的に光り輝き、新しいスタイルへの挑戦を楽しむ」人の背中を押す存在として、確固たる信頼を得ているブランドだ。近年はクリエイティブなビジュアルを発信したり、ファッションウィークのメイクアップを担ったりと、モードな感性でも注目されている。24年10月に刷新した制服は、「ハルノブムラタ」の村田晴信デザイナーが手掛けた。
〝制服感〟からの脱却
ルナソルは99年にデビュー。花王グループのカネボウ化粧品が展開するプレステージブランドで、百貨店を中心に販売している。浄化メイク、水ツヤ肌といったメイクやスキンケアの概念を見つめ直すキャッチーなフレーズでも、度々話題を呼んできた。20周年を迎えた19年以降は、「エゴイスティックシック」をコンセプトにリブランディング。よりファッション性を高めた提案が新たな魅力として開花している。