アクアガール、ウェブ+リアル戦略に成果

2016/12/26 06:30 更新


 ワールドは、レディスセレクトショップ「アクアガール」の上期(4~9月)の既存店売り上げが前年同期比12%増となった。リブランディング中で昨年10月の28店から今年9月末で7店となり、ブランド全体は減収だが、継続店舗とECの増収、プロパー消化率とオリジナル商品の売り上げ構成比が高まり、収益性が大幅に改善した。来春には名古屋に新規出店を予定する。

 「ウェブ+リアル」戦略を軸にした再構築が実を結んだ。在庫を戦略的に継続する店舗とECに重点的に配分。店舗では特に丸の内店、渋谷店、天神店がけん引した。

 店長の意見を取り入れた個店別MDで、客層に合わせた品揃えを実現し、商品の集約・再配分で販売機会ロスを減少させた。店長には個店ごとの損益を意識させる教育を実施し、利益視点の運営を浸透させた。個店別MD、収益目標の明確化と、それに対応した評価で各店の士気を高め、プロパー消化率とオリジナル比率を向上させ、粗利益が改善した。

 高い接客レベルを持つ店舗スタッフの活用も積極的だ。”ブランド愛”が強い人材が多く、設置したECカスタマーサポート「アクアガール・コンシェルジュデスク」(ACD)や店頭で活躍した。ACDは退店店舗の上顧客の継承も担う。ウェブを通じて接客目線でのコミュニケーションを充実させたり、退店地域のホテルのスイートルームでトランクショーを開催し、好評を得た。

 異動したスタッフを追って継続店舗に上顧客が来店し、店全体を刺激するなど良い影響も出ている。その結果、退店店舗の上顧客の55%が、ECや継続店舗で購入しているという。

 EC売り上げも上期は前年同期比34%増となった。EC化率も9月時点で約30%になった。在庫を重点的に回し、ECの利便性やイメージ向上、店舗出身者によるウェブプロモーションなどが好調要因だ。

 今後も「ウェブ+リアル」戦略に変更はないが「高い接客レベルを持つ店舗スタッフあってのアクアガール」の文化を継承する。今後はECでも店舗と同等の接客を実現していく。

 

WORLD
「アクアガール」17年春夏物


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