オールユアーズ 試着&トークイベントで全国ツアー

2019/10/25 10:59 更新


 ライフスペックブランド「ディーパーズウェア」を企画・生産するオールユアーズ(東京)は今春から、木村昌史代表が車で商品サンプルを持って全国47都道府県を巡る「ショールーム&トークイベント」をスタートし、客とのタッチポイントを増やしている。

 特に地方は試着体験の場が少なくなっており、ブランド体験を高める意味もある。イベントは素材産地や縫製工場関係者との出会いにもつながっている。

(疋田優)

 ディーパーズウェアは、予約販売型のクラウドファンディング(CF)を活用して支持を拡大中だ。カジュアルウェアで1日を過ごす人に向け、主に合繊を使いながら天然素材のような見た目で、軽量、清涼、防しわ、洗濯可能、色落ちしない、速乾といった機能性を売りにする。

 トレンドを意識したおしゃれよりも着心地や使い勝手を重視する男女に響いており、人気のポリエステルジャケットとパンツのアンサンブルは、すでに年間3600着以上の予約が入るほどになっている。

◆ブランド体験を促進

 今回のツアー型イベントは、「試着とブランド体験の促進」を狙ったものだ。CFやSNSでブランド認知は高まったが、販売は自社ECサイトと一部卸し先に限定しており、しかも試着できるのは東京・池尻大橋の直営店と期間限定イベントだけ。「知っているが、見る・着てみる場所がない」という声があるため、タッチポイントの開拓とファンとの深い交流を促進するために始めた。

 イベントでは木村代表がCF活用のノウハウやブランドの思想を語り、一番人気のジャケットとパンツのセットアップサンプルを試着体験してもらっている。

◆ECより高い購買率

 3月末のヒューマンフォーラムの進化形古着店「森」を皮切りに、すでに半分以上の都道府県を巡回した。これまでに2000人以上が試着し、そのうち半数以上が予約注文に至っている。「自社ECとは比べものにならないほど購買率が高く、リアルでの機会損失に気づかされた」(原康人代表兼ディレクター)という。

 今後はマッチングサービスのポルタスを使い、賛同してくれるアパレル・異業種店にタッチポイントの場となってもらうことを強める。各地のイベント開催場所にはツイッターで呼びかけ、会場提供に賛同してもらっている。名乗りを挙げるのは、主に地域で若い層を取り込んでいる飲食など異業種店が多いという。

 イベントの開催は、各地域のクリエイティブな活動者、生産工場との出会いにもつながっている。「これからは各地域の生産者、物作り工場ともかかわって、20年後にも価値が残る商品を生み出せる環境を作りたい」とする。

商品サンプルを持って車で47都道府県を巡回する(前列右から3人目が木村代表)


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