アダストリア、自社ECのオープンモール化加速 30年に流通総額1000億円へ

2024/10/25 06:30 更新


「オープンモール化の本格化を機に名称変更を決めた」と話す木村治社長(中央)

 アダストリアは、自社ECモールのオープン化を加速する。10月23日に「ドットエスティ」を「アンドエスティ」に名称変更した。新たに立ち上げた同名の子会社に、12月1日付でEC運営とその関連事業を移管する。他社ブランドの出店を増やし、商品カテゴリーを広げることで、現在は年間約363億円の流通総額を、30年に1000億円に拡大する計画だ。

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 現在出店している他社ブランドは17社22ブランド。今後は扱いが少ないコスメ、下着、雑貨などのブランドを中心に、出店企業を増やす。アダストリアの企画力や生産背景、マーケティングのノウハウを活用し、出店ブランドの新たな商品分野の開発支援も行う。

 全国に22店あるOMO(オンラインとオフラインの融合)型店舗「ドットエスティストア」も、「アンドエスティストア」に改め、出店を拡大する。25年春には旗艦店を出す。各店舗の立地や客層に合わせ、自社ブランドだけでなく、他社ブランドの商品の販売や販促も行う考えだ。

 現在、約1860万人のアンドエスティの会員数を増やすため、ポイントや決済方法の改革も進める。現状は自社のポイントとNTTドコモのdポイントが、購買などに応じてたまるが、今後は楽天ポイントも導入する。若年層のユーザーが多いデジタルバンク「みんなの銀行」の口座と、アンドエスティの決済機能を連動させる。保有ポイントの現金化サービスなども検討する。

 アダストリアは、大手SPA(製造小売業)として培ったノウハウが、アンドエスティの優位性だと考えている。「商品開発やマーケティングの支援を行うだけでなく、顧客データも共有し、出店者と共に成長したい」という。

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