《解説》なぜ縫製業界には見積もりがない? 悪習断てるか、縫製加工賃の交渉支援

2024/03/30 06:29 更新有料会員限定


3月にユカアンドアルファの名古屋営業所で行われた東海地区の服飾専門学校に向けた「ACCT」システムの説明会

 日本アパレルソーイング工業組合連合会(アパ工連)が提供する縫製加工賃の交渉支援サービス「ACCT」システムが注目だ。ジャケットやパンツ、ブラウスといった主要アイテムごとに工程数を入力し、それに素材や裁断、ロットなどの係数を入力することで、1枚当たりの適正加工賃を算出することが出来る。

(森田雄也=名古屋編集部)

【関連記事】アパ工連 加工賃の交渉支援サービス「ACCT」普及、拡大へ 専門学校に提供、見積書ありきへ

「誰が幸せになる?」

 そもそもなぜこの縫製加工賃見積もりシステムが開発されるに至ったのか。その理由を縫製工場の経営者は「見積もりがないから」と指摘する。見積りがないというのは、「この商品をこの加工賃で縫ってほしい」という要望が最初からアパレルメーカーや商社、ブランドといった発注者から出されるということだ。

 服は一枚一枚、パターンや素材など仕様が違う。その仕様によって、工程数や縫製難度が決まる。ほかにも生地裁断や検品・出荷などにコスト・労力がかかる。そういった積み重ねに必要な利益を乗せて加工賃を設定する積み上げ式が本来の姿と言える。これが見積もりとなり、それをベースにして時には工賃交渉に入る。縫製に限らず、ビジネスの世界では一般的な話だろう。

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