広島のアクセ デザイナー×備中備後産地で新ブランド

2019/01/18 19:04 更新


 セレクトショップ「パリゴ」を運営するアクセ(広島県尾道市)は3月、デニムの産地である備中備後とデザイナーブランドやジーンズブランドをつなぎ、新たなブランド「JAPAN DENIM」(ジャパンデニム)を立ち上げる。取引しているデザイナーブランドなどと共同開発し、新たなジーンズブランドをつくることで、産地の知名度向上、活性化に貢献する考えだ。国内だけでなく海外販売も視野に入れている。

 この事業は、広島県福山市が進めている「備中備後ジャパンデニムプロジェクト」の一環。広島県福山市、岡山県井原市は日本を代表するデニム産地で、海外の高級メゾンにも使われる。しかし、ブランドとの守秘義務があり、生産者の情報が開示されないため、技術力の高さが伝わっていない現状があるという。これを打破していこうというのが狙いだ。

 アクセは1925年に広島県尾道市で創業しており、「備後にある企業として取り組むべき」(高垣孝久副社長)と考えた。日本のデザイナーブランドを多く扱い、東京・銀座、丸の内などにも店舗を持つ強みを生かす形でプロジェクトに参画した。

 新ブランド、ジャパンデニムは「ミュベール」「クルニ」「エズミ」「トゥ・エ・モン・トレソア」「クラネ」「クロ」「ヨシオクボ」「チノ」「AG」「ヤヌーク」「レッドカード」と共同開発する。すべて備中備後で生産する。

 取り組みを通じて産地ブランドを確立し、産地の「見える化」を目指す。各製品には産地、事業者名を明示したラベルを縫い付ける。QRコードも付け、どの事業者の素材を使い、どの縫製工場で縫い、どの加工業者で最終製品になったかという情報が読めるようにする。デニム事業者はデザイナーなどと会う機会が増え、一方のデザイナーなどは国内の生産背景を増やすメリットがある。

 知名度を上げるため、東京・ギンザシックスで3月27日~4月30日、ポップアップショップを開く。インスタグラムなどSNSによるPR、パリゴの店舗での展示、販売も計画している。国内の有力百貨店やセレクトショップへの卸売りも手掛け、将来は欧米やアジアの百貨店や専門店にも広げ、日本デニムの品質の高さを伝える考えだ。

デザイナーブランドなどと共同開発する


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