【トップインタビュー】テンタック株式会社 代表取締役社長 橋本惇巨氏(PR)

2023/07/19 00:00 更新



 72年の創業から半世紀を迎えたテンタック。アパレル副資材を起点にする同社は、最先端の商品開発とグローバル7拠点の自社生産体制を強みに、常に時代の変化にアジャストした新しい商品や事業を追求することで、次の成長戦略を描く。

サステイナブルは転換期に

——環境に配慮した副資材の現状をどの様に捉えているか。

 サステイナブル(持続可能な)資材は今、転換期にあります。円安の進行や原材料高騰の影響で、コストパフォーマンスへの注目が一段と高まっているからです。その点、当社は世界各拠点で紙フックやシャツキーパー、ハンガー、パッケージといった資材を安定調達・品質管理することができます。スケールメリットを生かしたコスト競争力で、自社の優位性がより高まってきたと実感しています。

RFID(ICタグ)は更に広がりを見せる

——ICタグでも業界をリードしているが、今後の狙いは。

 当社が国内でトップシェアと言われているRFID(ICタグ)は鞄、眼鏡、時計、小物など、洋服以外のファッションアイテムにも広がりを見せています。インレイのサイズやロットなどアパレルとは異なる規格もありますが、国内自社工場や調達力を生かしてシェア拡大を狙います。

テクノロジーとファッションの『ハブ』に

——新規事業や商品開発にも積極的な背景は。

 プラスチック同様の強度や弾性がある紙資材「カミナノ」や、焼却時のCO2排出量が少ない技術「グリーンナノ」を使ったパッケージ類、特許技術の赤外線吸収インク「ゴーストインク」で偽物対策ができる下げ札や洗濯ネームといった商品を世に送り出しました。

プラレスを実現するカミナノシリーズ
付加価値のある副資材をラインナップ

 ファッション業界は、最新テクノロジーやイノベーションを常に求めている業界です。一方でテック企業も自社の技術を広めるためにファッション業界に注目しており、アプローチしやすいのが副資材です。そこで当社に様々なオファーが舞い込んでくることも多く、ハブとしての役割が高まっていると感じています。

副資材が提供できる価値をブラッシュアップ

——企業として持続的に成長するためには。

 5年、10年先を予想して先手を打っていきます。そのためには取引先に育てていただける関係を作り、共に消費者をみながら、互いに高め合っていきたいです。

 当社が100周年を迎える頃には、何が必要で何が無駄なのか、今まで以上にシビアな結論が出ているかもしれません。たとえば当社が提供している紙のタグなどの副資材も、紙そのものではなく、そこに記載されている情報をエンドユーザーに伝えることが接客になったり、愛着を持って長く着ていただくことが価値になるわけです。その価値をブラッシュアップしていくために副資材として何ができるか。ひたむきに追求していきます。

【profile】橋本惇巨氏 慶應義塾大学卒業後、旭化成、ボストンコンサルティンググループを経て、16年テンタック入社、19年10月より現職テンタック株式会社


〒160-0016 東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館2F
TEL.03-5369-2121
https://www.tentac.co.jp

企画・制作=繊研新聞社業務局



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