伊藤忠商事繊維カンパニー 業界のリーダーとして 社会課題と経済合理性を両立する(PR)

2023/12/12 00:00 更新


 総合商社の中で唯一、繊維の看板を掲げる伊藤忠商事。本業を通じた「SDGs」実現に向けた取り組みを、率先して行動する。そのサステイナブル事業をけん引する若手、中堅の担当者が、現状とこれからを語り合う。

”動脈“と”静脈“をつなぐ

——サステイナブル関連事業はどのように連携しているのか

 19年に立ち上げた「レニュー・プロジェクト」は、繊維ゴミの大量廃棄問題の解決が原点にある。ケミカルリサイクルの手法でポリエステルの繊維ゴミを再生し、再びサプライチェーンにつなげる事業で、100以上のアパレルブランドや小売業態の企業が採用し、日本市場でかなり認知度が上がってきた。現在、レニューのケミカルリサイクル工場は中国にあり、中国で回収された繊維ゴミを主な原材料としているが、日本国内でも 回収を希望する企業が増えている。これを解決するため株式会社エコミット(本社、鹿児島県)をパートナーとして衣類回収をする 「ウェア・トゥ・ファッション」をスタートし、更に、ケミカルリサイクル技術のライセンスを目的として23年1月、帝人と日揮ホールディングスと伊藤忠商事の合弁企業となる株式会社RePEaT(リピート)を設立した。


井上 22年、エコミットとは資本業務提携を行った。現在、全国1000ヵ所超の衣類回収ポイントを設置している。従来から伊藤忠商事が提供する企画・生産と販売の”動脈機能“に加え、生活者が消費した後の回収と選別、再流通への”静脈機能“を提供するものだ。

仙元 23年には、「アルケミアプロジェクト」を開始した。回収した衣類とプラスティックを混ぜて固形原料を作り、川崎市にある株式会社レゾナック(旧昭和電工) のケミカルプラスチックリサイクルプラントに投入しガス化する。その後、水素、アンモニアを経て、再生エネルギーやアクリル繊維・ナイロン繊維などの繊維原料、肥料などに変換する。工程上で発生する二酸化炭素も飲料用炭酸ガスやドライアイスなどに再生する画期的な仕組みだ。

松ケ谷 伊藤忠グループでユニフォームの企画製造販売を担うユニコは、サステイナブルの意識が高まる以前の09年に、環境省が定める広域認定制度を取得している。着なくなったユニフォームは産業廃棄物にあたるため、法律に則った処理をしなければならない。もし、企業ロゴが付いたユニフォームが不法投棄され、SNSなどで拡散されれば、社会的信用を失うことになる。ユニフォーム業界は”作る責任“や”排出する責任“に対する感度が高い。企業からサステイナブルに貢献する方法を強く求められることが多い中、レニューやアルケミアプロジェクトにより付加価値の高い提案ができている。

株式会社ユニコ(出向) 営業第2部 営業第2課課長兼営業第4課課長 松ケ谷 直毅氏

新しい社会習慣を創造する

——仕事を通じて社会貢献への喜びを実感する時は

松ケ谷 サステイナブルへの意識は高まっているが「SDGsで何をするのか。ESG投資の観点で何が大事なのか」などで明確な答えを持つ取組先は、まだ少ない。その中で、服を生産して納品する過程で、サステイナブル素材や廃棄衣料の循環をご提案する。取組先と”モノ“だけでなく”コト“の答えを一緒に考えていく。それが、最終的に取組先のホームページやESGレポートなどに表されると「楽しく、良い仕事をしている」と実感が湧いてくる。

 時代に先駆けて19年からレニューを立ち上げて進めてきたことが間違いではなかったと思える瞬間や、日本の社会のなかで新しい習慣を感じることで、喜びが得られる。私の携わった仕事が、自分の子どもが社会のなかで知るに及んで、興味を持ってくれた瞬間にも大きな喜びを感じる。

ファッションアパレル第三部 繊維原料課長代行 林 進平氏

井上 多くの人々がサステイナブルに関連する社会課題の解決に挑戦しているが、そこに欠落しがちなのがビジネスの観点だ。仕事を通じて、社会課題に真摯に取り組む人々や、価値観を共有できる企業に出会い、伊藤忠商事が持つ力で課題解決に向けた役割を発揮できることに喜びを感じる。

——伊藤忠商事の強みとは

井上 世間の課題に対して、ビジネス観点を見失うことなく、その”解“を提供する。ボランティア活動や寄付だけでは継続的な発展は難しい。私たちの強みは適切なパートナーと共に、リスクを予見しながらも、ビジネスとして健全な収益をあげるための具体的なアクションを起こすことにある。

ファッションアパレル第三部 繊維原料課 井上 尚太氏

松ケ谷 その根底にあるのが”マーケットイン“であり”三方よし“だ。”マーケットイン“の発想で有用な技術に着目し、経済合理性のある”三方よし“な商いを具現化することが強みだ。

仙元 総合商社ならではの横断的な取組も強みだ。ウェア・トゥ・ファッションでの衣類回収は、合繊や天然繊維の多種多様な素材を使った製品が混じる。ポリエステル100%はレニューによって循環するが、それ以外の素材はレニューに戻せない。そのため、アルケミアプロジェクトが補完的な役割を果たしており、循環の”最後の砦“になる。また、アルケミアプロジェクトで再生される水素、アンモニア、アクリロニトリルは、伊藤忠商事のエネルギー・化学品カンパニーが取り扱うことで、”オール伊藤忠商事“としてワンストップサービスにできる。

ファッションアパレル第一部 ワークウェア課 仙元 惇史氏

新しい付加価値創出に向けて

——繊維産業のサステイナビリティーのビジョンは

松ケ谷 ファッションである以上、選べる豊かさが必要だ。アルケミアプロジェクトは”静脈“の領域で、選べる豊かさやモノマテリアルだけではない市場を実現するための受け皿として、整備していきたい。

井上 繊維産業が大きく変化する時代が目の前にきており、サーキュラリティーが鍵となる。分断している”動脈“と”静脈“の産業が連携することで、繊維産業のみならず、その他の産業ともつながって、循環経済の構築という難題をクリアしていく。

仙元 これからのアパレルやユニフォームメーカーは、常にサーキュラリティーを意識することが欠かせなくなる。特に企画・生産と販売の”動脈“段階で、生活者が消費した後の”静脈“を見据えた取り組みが必要になる。

 伊藤忠商事は繊維が祖業であり、長年に亘り培ってきたネットワークやプレゼンスを活かして、サーキュラリティーの実現に向けてリードしていきたい。サステイナブル社会の実現のためにファッション・繊維企業と共に立ち上げたJSFA(ジャパンサステナブルファッションアライアンス)を通じて、経済産業省や環境省をはじめ国・自治体に対し法整備改革を提案していく。

撮影場所:ITOCHU SDGs STUDIO

https://www.itochu.co.jp/ja/business/textile/

企画・制作=繊研新聞社業務局



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