伝統工芸、素材を未来へつなぐプロジェクト

2016/12/19 06:30 更新


 染め物や織物に必要な道具、日本の伝統文化を支える原料――近い将来、なくなってしまうかもしれないと懸念される工芸素材や道具を未来につなごうというプロジェクト「21世紀鷹峯フォーラムイン東京」が都内で開催されている。

 主催は、100年後の工芸のために普及啓発実行委員会、オールジャパン工芸連携京都・東京・金沢実行委員会。

 17年1月29日までの期間中、美術館、博物館、教育機関、研究所、団体、ギャラリーなどで工芸に触れ、参加し、知ることのできる様々なイベントやきっかけ作りに取り組んでいる。

 12月13日には、「絶滅危惧の素材と道具、永続的に制作を続けられる環境づくりのために」と題して、フォーラムが開かれた。15の出展者が対話式のブースを構え、実際の用具や素材、技法を示しながら来場者と交流。会場内で、それぞれが現状や存続のためのアクション、展望を語るトークイベントも開いた。

 日本刺繍のための手打ちの針、国産コットンである伯州綿、機織り機の一部である竹筬(たけおさ)、絹の撚糸、天然顔料、漆塗りの刷毛作りなどの継承、復活の活動が紹介された。

 期間最終日の1月29日には都内で、有識者、作り手、つなぎ手、使い手が意見を交換するメインシンポジウム「100年後の工芸のために」を開催する。


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絹の撚りを紹介する下村ねん糸のブース



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