ゾゾ第1四半期 成長鈍化もARIGATOの影響「ほぼ解消」

2019/07/30 19:39 更新


 ゾゾは30日の会見で、「ゾゾARIGATO」サービス終了後の「ゾゾタウン」出店ショップ数(6月末時点)が1297店(前期末1245店)と52店増え、ARIGATO値引きでのブランド離脱が「ほぼ解消され、ブランドの出店が続いている」とした。秋からのMSP(マルチサイズプラットフォーム)事業は約100アイテムを展開し、平均体型データを活用して約20~50サイズを投入する。

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 ARIGATOは18年末に導入した、有料会員を対象に全販売商品を10%割引販売していたサービス。一部出店ブランドからの反発とゾゾタウン離脱が相次ぎ、5月30日付で終了していた。第1四半期決算会見では、この期間の新規出店ブランド数は68で、同サービスを機に閉店していた1ブランドも出店再開。「PB、ARIGATOの影響は落ち着いた」(栁澤孝旨取締役副社長兼CFO)と話した。

 一方で、第1四半期(4~6月)の商品取扱高792億3700万円、前年同期比12.5%増という伸びの鈍化に質問が集中。特に前期の伸長率(約20%)と比べて鈍化したことについて「前期はARIGATOキャンペーン効果が大きかったのが一因。ただ、当四半期は広告宣伝をほぼ打っていないため、新規会員獲得が弱かった。第2、3四半期で広告を打っていき、15%成長に持っていきたい」とした。広告を打たない"巡航"成長率を「今は15%」(広報)との見方を示した。

 秋からスタートするMSP事業は、ゾゾがゾゾスーツで集めた体型ビッグデータをブランドに提供し、販売プラットフォームになる。ただ、「事業形態は模索中で、予約販売を試していく」(伊藤正裕取締役)。ベーシックアイテムのPBとは異なり、トレンド商品をゾゾタウンで限定販売することを強みにする。

 足サイズ計測「ゾゾマット」による靴販売は、まだ靴をECで買っていない新しい客層を取り込む考え。個客の足サイズと販売している靴とのマッチングの仕組みは今後構築していくとした。

 4~6月商品取扱高の内訳は、ゾゾタウン763億円(11.7%増)、PB4億6000万円(306.7%増)、BtoB事業24億7000万円(25%増)。ゾゾタウン事業内は受託ショップ726億2000万円(13%増)、買取ショップ1億円(132.7%増)、ユーズド35億7000万円(10.8%減)。ユーズドの落ち込みは、低価格古着の買い取りを抑えたことによるもので、計画通りの進捗とした。



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