初開催の「ユア・ショーケース・イン・天神・福岡」 アパレル、消費者巻き込み“福岡”を盛り上げる

2022/10/18 10:59 更新


一般消費者向けイベントも盛り上がる

 「福岡を盛り上げる」。福岡のメーカーやショップの有志が集まり、初めてのBtoB(企業間取引)とBtoC(企業対消費者取引)のイベント「ユア・ショーケース・イン・天神・福岡」が10月4~10日に開催された。60社以上の企業が参画し、前半は合同展、後半はサンプルセールや飲食など消費者向けを行い、「想定以上の集客で、今回は参加していないメーカーなどから『面白そう』などの反応があった」(実行委員の伊波ゆかりブルーランク社長)と、今後に手応えを感じている。

 4~6日は2会場で合同展示会を開催。福岡や東京、大阪などのメーカー16社が出展した「ゴールドラッシュ」は年4回開催し、継続出展している企業も多く、福岡を中心に大分や熊本などからバイヤーが集まった。新規では初の福岡出展やクリエイター系が揃った合同展も行い、約100社の来展があった。OEM(相手先ブランドによる生産)メーカー、リブ(東京)のオリジナル新ブランド「ヤナバ」やハブアナイス(大阪)のメンズ「リベール」、展示会自体が初のアクセサリー「エスエッグ」(福岡)など、「新しいブランドを見れるのは楽しい」など、商談が弾んだ。

 7日からは消費者向けで、コーヒーやクラフトビール、軽食、フラワーなどのマルシェ、福岡や東京の20ブランドが参加したサンプルセール、地元福岡のアクセサリーやインナー、雑貨などのクリエイターによる販売会を行った。クリエイターをプロデュースしたヘアメイクの宇良あやのさんは「福岡には多くのクリエイターがいるが、実際に手に取ってもらえ、商品をアピールできる場は重要」と、イベントを歓迎している。

 福岡ブランドとショップが協業した期間限定店も。福岡ブランドを揃えるショップの「エイプリル」は取引がある「ヘレンチア」では初めて予約会を実施。扱っていない「アルネブ」は店頭に商品を並べ、客への認知を促進。エイプリルを運営するカラーフィールドの秦寛史社長は「初めての取り組みや普段はない商品でお客様にアピールできた」という。ルーヴはアクセサリーのブルーランクと協業、店の前にPOP(店頭広告)と商品を並べ、来店のきっかけに。専門店としても、協業や地域を盛り上げるイベントは歓迎する一方で、「消費者への告知不足や10月は施設やブランドなどで他のイベントもある」と、開催時期などの検討を指摘している。

福岡のブランドとショップ「エイプリル」の協業期間限定店で客にアピール

 実行委員会は「準備不足はあったが、スモールスタートで徐々に大きくしていきたい」としている。イベントの趣旨を周知できていなかった面もあり、「様子見に来られた企業も多い。天神や福岡の企業ではないが参加したい」などの声も聞かれた。福岡では定期的な展示会は行われているが、「ショップや街が元気になることが、アパレルの取り引きにも重要」と、さらにショップや消費者、異業種も巻き込んだライフスタイルイベントを継続的に行っていく考えだ。当面は年1回の開催を予定している。



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