繊研新聞社は7月、国内の各繊維産地で働く入社10年未満の社員を対象に入社理由や産地・仕事の魅力、課題などに関するアンケート調査を実施した。144人から回答が集まり、普段はあまり表に出てこない若手社員の〝本音〟が集まった。連載では各回答を分析し、実際の事例を交えて産地の現状について紹介。9月には関係企業・団体へのインタビュー連載も実施した。今回は改めて回答内容を整理し、労働環境や仕事の魅力、会社側への要望などについてまとめた。
(榎田果歩、小坂麻里子、関麻生衣、多田知史)
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改善してほしいこと
アクセスの良さややりがいなどに魅力を感じて就職する若者がいる一方、労働環境の改善を望む声は多い。「労働環境で改善してほしいところ」についての質問に対して、複数回答を含む137件の中で「給与・ボーナス」(86件)、「休日数」(70件)、「家賃・資格取得補助など会社からの支援」(49件)、「労働量」(41件)への指摘が多く挙がった。
具体的な理由では「若手社員に他社員と同等量以上の業務を任せる一方で給与・ボーナスが低い」「基本給が低く、残業代の支給がない」「高卒で家族を養っているため、今の補助だけでは貯金ができず暮らしていけない」「利益が良いとメディアに描かれているが、生活に反映されている実感がない」「求人サイトでは賞与があると書いていたのに実際はほぼ無い」など、賃金が低いことやボーナスがないことへの不満が目立った。
また、休日日数や会社からの支援に対しては「祝日は保育園が休みになるため休みたい」「土日祝の休みがあれば、家族と時間が増える」「祝日も休みになると、仕事とプライベートの両立がよりうまくいくはず」「資格取得のフォローによって、多様な働き方が出来る人材が増えると考える」と、ワークライフバランスや家庭を重視する意見が多く集まった。
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