YKKは学生を対象にしたファッションコンテスト「第18回YKKファスニングアワード」の授賞式を都内で開催した。アパレル部門のグランプリは、名古屋モード学園の伊藤香苗さん、ファッショングッズ部門のグランプリは、ヒコ・みづのジュエリーカレッジの土方春稀さん、細川悠眞さんが獲得した。
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応募総数は6056点で、昨年の5216点から大きく増えた。アパレル部門は5034点、ファッショングッズ部門1022点の応募があった。その中からグランプリ(賞金100万円)、優秀賞(20万円)、審査員特別賞(10万円)、YKK特別賞(同)が選ばれた。受賞者には賞金のほか、トロフィーと創作活動用にYKKファスニング商品(5万円相当分)も贈られた。
アパレル部門グランプリの伊藤さんの作品テーマは、「color」(カラー)。見る角度によって光の当たり方で色が変化してみえるコイルファスナー「オーロライト」を使い、様々なカラー(個性)が社会と共存して面白いものを生み出すという思いを込めた衣服を提案した。メッシュ生地をベースに、撚糸や染色の工場に通いつめて開発した糸を刺し込み、オーロライト同様に見え方が変化するものを制作した。
審査員の藤田恭一氏は、「YKKのテクノロジーと、デザイナーのクラフトマンシップが共存している。ファスナーの性格をこれほど観察したデザイナーは他にいないはず。生地も含めてその表現力に驚かされた」と評価した。
ファッショングッズ部門グランプリの土方、細川両氏の作品テーマは「靴にも傘を」。急な雨にも対応できるように甲の部分にポケットをつけ、そこからレインコートがでてくるようにした。止水性のあるファスナーとテープ付きスナップ「ソフィックス」をうまく活用した。
「全体の完成度が高く、普通に履きたい。ソフィックスを機能としてだけでなくデザインとしてうまく調和させていて、かつソールの大きさやバランスでオリジナリティーを出している」と審査員の村手謙介氏は述べた。