大阪・箕面市にあるレディスセレクトショップ「X-ONE-STUDIO」(バイワンスタジオ)が元気だ。古着もミックスした品揃えでスタートしたところ、「シンプルだけれど少し癖のあるデザインのオリジナル商品が人気」(塩瀬琴羽X-ONE合同会社代表)で、売り上げを伸ばし続けている。カフェも併設した路面店で、会話や買い物をゆっくり楽しむ顧客が多い。
(小畔能貴)
バランスを重視
アパレルメーカーで海外買い付けのバイヤーなどとして活躍した後、渡米して働いた経験も持つ塩瀬さんが、22年4月に地元の箕面市で同店をオープンした。店名にあるXには様々なものを掛け合わせるという意味を込めており、ビンテージ×トレンドをコンセプトにした品揃えのほか、服だけでなく飲食ができるカフェを併設するなどしている。
インポートと海外古着をミックスした感度の高いセレクトを打ち出すが、ハワイで接客していた経験から、バランスの良いデザインの提案を重視している。「米国人はボディーラインを気にしないが、日本人は気にする。ヘルシーに見える着こなしがポイント」という。
オリジナルは、24年に売り上げが大きく伸びた。円安もあって着手したものだが、好評で売り上げの約6割を占めるほどになった。どれも白と黒を中心としたシンプルな色使いで、ほどよいデザイン性が特徴だ。「合わせやすいし、チャレンジもしやすいのでは」と売れている理由を分析する。
今年も同様の勢いでオリジナルを推している。25年夏は「日本ではあまり採用がない」細いスパゲティストラップのカップ付きキャミソール(税抜き4500円)、店のオリジナルロゴを配色刺繍で胸元にあしらったタンクトップなどを提案している。バルーンシルエットと色合いにこだわったデニムパンツ(1万6000円)などもある。
客層は70代まで
客層は20代後半から70代まで幅広い。「このエリアは富裕層が増えたし、ミニスカートをはきこなす年配の方もいる。この店で新しいおしゃれに挑戦してもらうのが楽しい」。古着などで女性にメンズを提案することもあって、男性客もいる。
路面でカフェを併設していることもあり、2時間近く過ごす人がいるなど滞留時間は長い。「顧客比率が高く、客数はそれほど多くはない」が、セット率や平均客単価は高めだ。一度の来店で5万円、中には30万円購入していく顧客もいる。オープン以来、売り上げは右肩上がりだ。
今後は、「EC比率がそれほど高くないのでこれからもっと伸ばしたい」考え。「オリジナルが好評なので、チャンスがあれば卸や海外販売もしてみたい」と話す。