美顔器やファッション事業を手掛けるハスラック(大阪府摂津市)は、指紋認証で開ける真空断熱ステンレスボトルを開発した。近年の異物混入事件、職場や学校でのいたずら、誤飲対策への関心の高まりに着目した。応援購入サービスのマクアケでは目標金額を超過達成。今後アウトドアショップやゴルフ専門店、家電量販店などに販路開拓していく方針だ。
(小田茂)
マクアケでは「指紋でロックを解除!温冷対応の生体認証がついた次世代スマートボトル『シーモン』」のプロジェクト名で、6月27日~7月13日に先行販売した。
機能と安全性両立
ボトルは充電式で、高い保温・保冷性能を備える。登録した指紋でしかロックを解除できない仕組みで、指紋センサーによりワンタッチでオープンする。指紋は最大15個を登録できる。特許も出願した。

容量は500ミリリットルで、縦227ミリ、直径72ミリ。色はホワイト、ピンク、ブラック、ネイビーの4色。マクアケの購入者には7月中旬から順次発送する。今後は既存取引先を含めて販路開拓を進め、スポーツ選手などに使ってもらい認知度向上も目指す。オープン価格だが、7000円前後を見込む。初年度は約10万本の販売を計画している。
独自の価値を重視
同社は93年にスポーツ卸で働いていた山口正志社長が独立して設立。当初はスノーボードなどアクションスポーツ用品の輸入卸を行い、00年からバンダイと提携したサーフブランド「リアルBボイス」を開始した。07年からは美容事業に進出し、現在は売上高の7割を占める。主力の美顔器は美肌効果が期待できるLEDプログラムを搭載。国内では主に家電量販店や空港で販売しており、現在は国内より中国での販売が多くなっている。
ファッション事業では21年に米ゴルフクラブ「JP」の日本独占販売契約を締結、ゴルフ専門店や百貨店などに輸入卸している。23年にはアイデア雑貨「ワックザック」も立ち上げた。このほか、ブランド子供靴の販売代理店も行っている。
「こだわった商品を世に出すのがテーマ」と山口社長。多様な商品を扱う中で、独自性を重視している。シーモンも新規分野だが、「毎年の猛暑で水筒需要は増えており、女性や子供には安全性も重要になっている」と期待する。将来的には1リットルや300ミリリットルといったサイズの拡充も検討していく。
