韓国のアパレルブランドの店で、壁に張り付いている人を忠実に再現した後ろ姿のマネキンを見た。ベージュのマネキンで、爪や手の甲の凹凸、頭髪の隙間から見える耳までリアルだ。ブランドイメージを映し出すようにファッショナブルな服を着ていた。
ほかにも壁面に小さな窓を作り、透明のパネル越しにこちらを見つめる人の目元の造形物も設置していた。スイッチを入れるとまばたきしたり眼球が左右に動いたりする仕様らしく、リアルさを追求する熱量の高さに圧倒された。
他の韓国発ブランドも実店舗の空間作りに力を入れているところが多く、アイコニックな空間表現にたけている。若者の間で韓国ファッションが再燃し、日本ブランドでも店内に大きめの造形物を配するなど韓国を感じる店舗を見かけるようになった。
韓国では、日本よりもECでよく買い物をするといわれている。実店舗に求められるのは、わざわざ行く価値がある空間だとすれば、韓国ブランドから学ぶべきところはたくさんあるだろう。
(祥)