《視点》編み物がはやる理由

2025/05/08 06:23 更新


 編み物がはやっている理由の一つに、デジタルデトックス効果とコスパの良さがあると聞いた。

 記者も趣味でしているのだが、確かに作品を編んでいる時は目数や段数を数えたり、模様編みの順番を考えたりでスマートフォンに触れるような余裕はない。初心者の頃や初めて編むものを作るときは参考のために画面を見ることはあるが、慣れてくるとそれもしなくなる。寝る前にちょっとだけ、と思っていたのに気が付けば朝になっていたなんてこともしょっちゅうだ。

 コスパの面で見ると、毛糸や編み針、目印に使うマーカーなど一通りの道具は百均で売っていて、一式揃えても1000円でおつりがくる。それで数時間潰せるのはかなりコスパがいい。手芸店で購入したとしても、編み針はゲージごとに買う必要はあるが一度買えばずっと使える。何より、編んでいる時の楽しさや満足感は、既製品を買っただけでは得られない。

 会社ではパソコン、自宅ではスマホとデジタルに縛られる現代。無心で手を動かしデジタルの存在を忘れられる編み物がはやるのも、一理あるのかもしれない。

(果)



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