「生理の現象の仕組みを学ぶことはあっても、生理に対する身体的、精神的ケアや経血の処理などはほとんど学ぶ機会がない」。記者は今月、日本女子大学の学生に向けたフェムケアセミナーに参加したが、そのときの一学生の発言だ。
日本では性的な健康課題に向き合う度合いがまだまだ弱いことを示している。同大学の学生が10~20代女性を主対象に実施したフェムケアの意識調査でもフェムケア、フェムテックという言葉を知らない人が過半数を占めていた。また、吸水ショーツの機能を説明しても使いたいと思わない人が4割強いるという調査結果だった。月経カップだとさらに拒否感は強いだろう。
フェムケア、フェムテックがかなり話題になってきたとは思うものの、出産や子育ては以前から普通に悩みなどを話す機会は多いが、生理についての話題は最近でも会話には出しにくいようだ。小中学生時から性教育など健康課題として学ぶ環境が必要ではないかと思うし、大学生や社会人になってからもクリーンでハードルの低い知識獲得、情報交換の機会が増えていくことが必要だろう。市場としても意識や理解が深まってこそ成長するのではないだろうか。
(武)