《視点》価格転嫁

2023/03/10 06:23 更新


 UAゼンセンから傘下の組合の回答・妥結速報が届きはじめた。低下した実質賃金を押し戻し、物価上昇との好循環につなげるなどとして、大幅賃上げが焦点になっている23年春闘だが、立ち上がりは5%台、6%台が並ぶ。定期昇給込みではあるけれど物価上昇に見合う水準に達しているようだ。

 ただ、このタイミングで先行しているのは大手で、これが働く者の多くを占める中小に及ぶかが、好循環実現のポイントであるのは論をまたないところ。賃上げ原資といった見方をすれば、大手に比べ中小が心もとないのは間違いない。ここを何とかしなければ全体の底上げに至らず、購買力はさらに弱まりかねない。

 そこで焦点になるのは価格転嫁。中小に多い下請けの問題は経済産業省も看過できないことから、価格交渉に後ろ向きの企業名まで公表しているが、こんなことでは好循環はおぼつかない。

 大手は自社の従業員の賃金を引き上げるだけでなく、中小が原材料・エネルギー高騰に耐えられるのはもちろん、賃上げが可能になる取引改善に踏み込むことが求められる。

(光)



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