《視点》古くて新しい緑茶

2022/07/06 06:23 更新


 最近、あちこちの展示会で緑茶の茶葉をちょうだいする。どれもこれもこだわりの緑茶。とりわけ、おしゃれな店やモダンなブランドが注目している。

 「ザ・ロウ」は昨年から、展示会のお土産に煎茶(せんちゃ)の茶葉をくださるようになった。東京・南青山の日本茶専門店、櫻井焙茶研究所と協業したもので、ブランドをイメージしてブレンドされている。先日の展示会では、その緑茶と、大根やトマトのコールドプレスジュースを組み合わせた爽やかなカクテルをふるまってくれた。

 ほんのり青い香りの緑茶が炎天下でヘロヘロの体にすーっと入ってきて、摘みたてのコリアンダーシードが弾ける。意外なフレーバーとなじみの味わいが相まって、新鮮なおいしさを楽しめた。そして、その鮮やかなグリーンがきれいだった。

 緑茶の国内生産は縮小しているが、コロナ以降広がっている穏やかなライフスタイルにフィットするようだ。丁寧に作られた茶葉には手仕事のぬくもりを感じるし、パッケージ次第で素敵なスーベニアアイテムにもなる。ファッション市場との親和性は高そうだ。

 調べてみれば、21年の緑茶の輸出額は200億円を超え、前年比26・1%増、2年連続で過去最高を更新した。抹茶ブームで粉末が特に人気だが、EU(欧州連合)や台湾ではリーフ茶も伸びている。古くて新しい存在は、見方次第で価値が高まる。可能性を感じずにはいられない。

(規)



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