《視点》手数料問題

2021/08/05 06:23 更新


 先日、責任ある外国人労働者受け入れプラットフォームがオンライン研究会を開いた。テーマは技能実習生の「手数料」問題だが、ここで興味深い指摘があった。

 オンライン研究会では、「高額過ぎる手数料は実習生の失踪(しっそう)原因」とする一方で、「手数料の中身を分析する必要がある」とも強調していた。

 例えば、ベトナムでは学校の先生だったり、地元の有力者だったりによる紹介の文化が強く、そこに手数料が発生するのは現地の感覚としてはそう違和感がなさそうだった。研究会に参加した印象では、手数料100万円は少し高いが、50万円程ならば必要経費としてかかる印象を受けた。それも仲介業者の数、送り出し機関のサービス内容を見なければ分からない。

 いずれにしても、メディアが手数料の存在を取り上げて、「現代の奴隷制度」と指摘するのは実情とずれている気がした。

 それよりも、研究会メンバーの多くが、技能実習生を「出稼ぎ労働者」と認める発言をしていたことに問題を感じた。「技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転」という制度理念はどこへ行ってしまったのか、と言いたくなる。

(森)



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