ロンドンで長く暮らしていた友人は、旅行の時にその土地土地のチャリティーショップを巡ることが一つの楽しみになっている。ロンドンでは至る所にチャリティーショップが存在し、友人も学生時代に随分助けられたそうだ。ロンドンに親族がいるデザイナーからは、子供服はほとんどチャリティーショップで売り買いし、新品を買うのはごくたまにしかないと聞いた。
日本の二次流通サービスといえば、フリマアプリなどのオンラインが成長著しい。しかし、そこでのやり取りは極めて淡白だ。得られるのは「欲しかったものが安く買えた」「思ったより高く売れた」という達成感のみ。明らかに業者だと思われるアカウントから購入したり、商品に傷があっても自分の評価を落としたくないために相手を「良かった」とするなど、もやもやが残ることも多々ある。
そんな経験から、チャリティーショップのようにスタッフの顔が分かり、商品の売り買いが人や地域の役に立つような店があればいいのに、という気持ちが高まっている。コロナ禍でローカルコミュニティーや応援消費が注目されるなか、今の時代に合ったリアルな二次流通の場は一定の需要があるはずだ。
(金)