コロナ禍で変わったことの一つに、かつてないくらい高まった人の衛生意識がある。新型のウイルスに対する不安を少しでも和らげるために、手洗い、うがい、消毒を繰り返し、マスクを着けて過ごす毎日。それはいつの間にか日常になった。近くでマスクを着けていない人を見たり、咳ばらい、くしゃみをする人を見かけたりするとついつい気になってしまうし、自分も気を付けなければと思う。
ワクチンの開発が進み、接種のめどがつき始めた今、衛生意識のピークは過ぎていくはずだが、この意識はある一定のレベルで定着すると思う。少なくともマスクや除菌グッズは家庭や企業、学校などで必要最低限の量は備蓄されるだろう。
売り場ではこれからもマスクやタオルを中心に衛生商品が消費者の選択肢の一つであり続ける。洗濯という方法があるので、衣類も含めて何でもかんでも抗菌・抗ウイルスが標準装備されるとは思わないが、繊維の衛生技術が役立つ場面はまだあるはず。コロナ下の日常を見つめ直し、そのヒントを探ってみようと思う。
(嗣)