《視点》持続可能

2020/11/04 06:23 更新


 「世の中に永遠なものはない」という言葉を思春期のころによく聞いた覚えがある。その言葉の真偽は今でもわからず、逆説のようでもあるが、永遠という事象に憧憬のようなものを感じることがある。

 サステイナビリティー(持続可能性)には、永遠とまではいかずともできるだけ長く、より良い状況を保ち続けたいという願いが込められているように思う。これを声高に言わなければならないほど、人間社会は様々な場面で荒れた世界を作り出してきたとも言える。

 その全人類的な反省から、15年の国連総会で17の分野別目標からなるSDGs(持続可能な開発目標)は生まれたのだろう。持続可能な発展には多様性と生産性の継続が欠かせないが、昨今、リーダーたちに多様性を軽んじる言動が目につくのが残念だ。

 SDGsは前世期末に採択されたMDGs(ミレニアム開発目標)に比べ、目標数が倍以上になったことにも人間社会の性(さが)を感じることもある。その反省も込めて、これまで以上の改善と目標達成へのスピードが個々に求められる。

(樹)



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