《視点》店は一緒

2020/10/16 06:23 更新


 営業利益率が40%程度あったのはひと昔前、ECの利益率はどんどん下がり、大手で今や半分程度というのが相場だ。顧客獲得コストも上昇の一途だから、せっかく「来店」したユーザーは大事にしたい。だが、使い勝手に難のあるサイトはまだまだ多く、先日もこんな話を知人に聞いた。

 「いや、白いシャツを探してるんだけど」。検索して1点出てきたものの、検索結果の下には関連商品としてパンツやジャケットがずらり。コーディネート提案で単価アップというのが狙いだろうが、サイトの気の利かなさに知人は不満を漏らす。

 実店舗の接客で例えるとわかりやすい。「白シャツあります?」「こちらはいかがですか」「別のやつ、あります?」「少々お待ち下さい」。ECでは実店舗のような接客はないため、使いやすい設計が求められる。くだんのサイトでは、「別のやつ、あります?」と聞かれてジャケットやパンツを出していることになる。店でそんな接客をする販売員はまずいない。

 客にとっては買う場としての店はECも実店舗も一緒。接客のないECだからこそ、ユーザーの立場から丁寧に設計することが必要で、そんなに難しい話ではなさそうだが、なかなか出来ていないところが多い。もったいない。

(介)



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