リモートワークの継続を望む声は多い。通勤や移動時間の節約につながり、生活と仕事の両立がしやすいというメリットがある。また人が密集するオフィス、満員通勤電車など、コロナ禍以前は当たり前だった〝密〟な環境へ戻ることへの抵抗感もある。
企業側にとっても従業員の全員が毎日出社しないことで、オフィススペースを効率化し、オフィス賃料の削減を図るなどのメリットも考えられる。個々の従業員が異なる場所から参加するウェブ会議も定着し、議事進行で特に大きな問題はない。
もっとも、現場をマネジメントする管理職のなかには、〝飲みニケーション〟も3密禁止で発揮できず、いまだに戸惑っている人は少なくない。
仕事の際の〝時間と場所の呪縛〟から解放された人々の意識はこれから大きく変わるだろう。リモートワークによって生まれたプライベートな時間は、家族や自己研鑽(けんさん)、地域社会への貢献などに使うことができ、新しい生活価値を生み出す。仕事との「適度な間合い」は新しい生活様式を生むと同時に、ニューノーマルな仕事に対する価値観を広げることになる。企業側の変化対応が求められるところだ。
(民)