ベトナムに進出するユニクロとイオンモールを取材した。経済成長、人口増を見越して照準を合わせたものだが、消費市場の勢いはうらやましくもある。
給料がどんどん上がるから、次々に欲しいものが手に入るようになる。「日本が厳しいからというだけでこっちに来ても難しいですよ」との担当者の言葉は間違いない。しかし、希望に満ちた消費者を相手にするなら、やりようはそれなりにあるだろう。消費増税もあって厳しくなる見通しばかり聞く日本に戻ると違いが際立つ。
ある日本の製造現場。ベトナムから来て働いているのだが、彼女たちが連れ立って職場に来る時のにぎやかで楽しそうなこと。そんな職場ばかりではないだろうが、ともかくここではそうだった。気になったのは一緒に働く日本人の若者。どうも活気がない。
見た目で判断してはいけないのかもしれないが、何年か稼いで戻れば暮らしがぐっと上がると思っているのと、先行きによくなる要素が見つけにくいのでは表情も違って当然、消費性向も変わってくる。
成長性、好循環。取り戻すには、まず未来が今よりよくなると思えることだろう。
(光)