都心の百貨店の婦人靴売り場では、3D足形計測器を使って一人ひとりの足に合ったパンプスを見つけ出すサービスを導入するところが増えてきた。
取り扱う靴の木型と靴型の情報をデータ化し、計測した足形のデータに合った商品を、タブレット端末でレコメンドするものだ。安心・安全の品質を求めて来店する消費者が多い百貨店にとって、店頭体験を通じて正確な情報を共有できることは、大きな強みとなりそうだ。
人の足の形は年齢とともに変わるので、このサービスに満足した顧客には、定期的な計測による来店を促進できるチャンスがある。データを連動させて自社のECで購入できるようになったり、欲しい靴の在庫を確認できたりと、便利な面は多い。とはいえ、これらは店頭サービスの向上を図るツールの一つであって、接客負担を減らすものではないことも自覚して運用しないと成功しないだろう。
悩みを持って来店する人の多くは、専門家に話を聞いてもらうこと、後押しの一言を期待している。結局は、AI(人工知能)よりも人材が商売の鍵を握る。
(渉)