《視点》適正需給へ

2019/01/25 06:23 更新


 18~19年秋冬のコート商戦は総じて厳しい推移だ。12月前半までは苦戦し、12月中旬から徐々に上向いてきたが、期待された年明けの盛り上がりが今ひとつとなっている。

 コート商戦はまだ終わったわけではなく、今後、冬日が増えてくると需要が出てくる可能性もあるが、現時点で考えると、気温が下がったほどには需要の盛り上がりに欠ける。しかも、昨年、買い逃した分のコート需要は必ずしも翌年に繰り越されない、というのが今シーズンの印象だ。コートを増産した多くのブランドは消化不振で、やはりマークダウンで処理せざるを得なかったというのが現実だった。

 家計調査によると2人以上の世帯の婦人用コートの支出は90年に比べると購入数量はほぼ変わらないのに金額は約半分になった。15~17年の3年間についてみると支出は下がり続けている。

 次シーズンはコート生産に慎重さが目立ってくるだろうが、より価値の高い企画を出し、売り逃しが出ようが適量生産で臨むことになるのは確実だ。コートは実需期になれば値段が下がる、そんなイメージが色濃くなったアイテムだが、再度適正な需給バランスがとれることを期待したい。

(武)



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