《視点》効率化と多様性

2019/01/17 06:23 更新


 デジタルとアナログは相反するものか。周りを見ればデジタルに疎いアナログ人間は多く、そういう人に、「最後はやっぱり人間だよ」とデジタルを否定するかのような発言が多いように思えるのは気のせいか。反対にデジタル好きというか、デバイス好きな人が、手間の掛かるアナログ作業を非効率として、嘲笑する場面もよく見る気がする。

 放っておいても、万人に便利な新技術は勝手に広がる。ビジネスでの情報伝達も電話からファクス、電子メールと移り変わってきた。連絡だけでなく書類や画像を添付できる電子メールはとても便利だが、それでも電話やファクスは残った。電源を入れ、ログインし、ソフトを立ち上げるという手間の要らない気軽さがそうさせたのか。

 デジタル=効率というのはちょっとした誤解だ。メモを取ることなど、さらりと紙に書くほうが、いちいちソフトを探して開くより何倍も速い。それぞれにしかできないことを見極め、相互補完することこそが重要ではないか。そう考えると多様性というのは効率化でもあることに気づく。

(樹)



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