「今すぐ着たいモノを買う傾向が強まっている。先物買いは減った」。定期的に取材する某カジュアル店の店長が、今年になってよくこう話すようになった。
いわゆる〝実需買い〟が増えたという話。同店は対応策として、日々、その日の気温や気候などをもとに、店頭のディスプレーや推していく商品を柔軟に変える工夫をしている。
自身を振り返ると、確かに以前ほどシーズン立ち上がりに新作をチェックしたり、購入に至るケースは減った。「後でいい」とつい先に延ばしてしまっていることが原因として思い浮かぶ。
ECを含め店舗が広がったことで、利便性は大きく高まったが、それが後回しも引き起こしている気がする。今はネットで気になる商品情報を好きな時に調べ、すぐ買える。言い過ぎかも知れないが、買う前に〝おなかいっぱい〟のような満足感を覚える人もいるのではないだろうか。とはいえ、店はモノを売るのが使命。期初からも「今欲しい」と思わせるような提案の進化に期待したい。
(畔)