外国で売られているお茶や蜂蜜のパックをもらった。さっそく開けようとしたのだが、なかなか開かない。結局、はさみを探して開けた。
他の国の食品でも「開けにくい」と感じたことは少なくない。現地ではそれが当たり前なのかもしれない。厳重に包装されるほど、安心・高級であるといった側面もありそうだ。一方で、日本の食品は、品目にもよるが、誰もが開封しやすいという視点がきちんと盛り込まれている。
先日、日本の物作りの強みについて複数の話を聞く機会があった。ある歴史エッセイストは「日本人は昔から目に見えないところまで手を抜かずに物作りしてきた」と。
輸出が順調なある産地の織布企業社長は「たとえ生産効率が悪くなってもやるかどうか。手がかかるところ、やりにくいところを突き詰めるのがポイントでは」とも話していた。
日本の物作りが長年積み重ねてきた精神やノウハウは誇るべきもの。技術継承や人材という課題を抱えているが、うまく世界を巻き込んで、強みを発揮し続けて欲しい。
(畔)