《視点》流通先進国

2018/07/25 06:23 更新


 クレアーズ日本は米クレアーズの商品を、差別化につながる商材として強化するという。米クレアーズはこの3月、連邦破産法の適用を申請したが、事業継続が見込まれるとして、こう判断した。クレアーズ日本はイオンの100%子会社だから米社との資本関係はないが、米社との取引が、競合が激しくなっている日本市場での武器になるとみる。

 日本トイザらスは、とりわけベビー衣料で日本の取引先からの調達に力を注ぎ、事業の拡大につなげている。米トイザラスの破綻に伴い、日本トイザらスを含めたアジア事業は売却される見通しだが、取引先の確保から独自性を高めて日本市場での地歩を固めようとしている。ここにきて店舗数も増やしている。

 米社の成り行き、それとの資本などの関係、何より日本市場でのこれまでのあり方に応じて判断はそれぞれだが、ECをはじめ、米国で起きていることには驚かされる。それはそれで、流通の〝先進国〟ならではなのだろう。そしてここにきて、西友とウォルマートの関係が取り沙汰されるようになった。こちらは経営破綻というわけではないが、米国流通業の持続可能性の揺らぎは大きく、一筋縄ではいかないことを改めて示す。

(光)



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