《視点》おもてなし

2018/05/10 04:14 更新


 「おもてなし」という言葉が引っかかる。テレビなどでは、「訪日外国人が日本のサービスに感激した」といったエピソードが紹介されるが、日本には的外れなもてなしが浸透しているのでは、と思うことがある。

 京都に本社を置く大手タクシー会社は、乗車する際、運転手が降りてきて、わざわざ手でドアを開けて丁重に乗せてくれる。客の立場からすれば、近場の利用にここまでされると逆に申し訳ない気持ちにさせられるし、むしろ自動ドアで素早く発車してくれる方がありがたい。

 同じく違和感を覚えるのが、服屋さんのお見送りだ。購入した袋を店員さんが持って出口まで付き添ってくれ、深々とおじぎをされる。安い買い物にそこまでされるとこれも客としては複雑な心境だ。

 ECが広がる中で、実店舗でしかできない体験が重要と言われているが、お見送りを求めて店に足を運ぶお客さんがどこまでいるだろうか。そしてこの二つのケースは、サービスの対価である単価アップにつながっていないことを直視しなければいけないと思う。(恵)




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