《視点》クリエイター育成

2018/04/27 04:00 更新


外国人観光客で溢れる「MIJファクトリー原宿」店内(17年5月)

 ネット上でLINEスタンプなどが広がり、新たなイラストレーターやクリエイターが世に出やすくなった。かつて漫画家を目指し、苦しい時代を生き抜いた人から見ればうらやましい限りかもしれない。

 こうしたなか、3人のクリエイターと力を合わせ、16年からステッカー事業を始めたのがMIJファクトリーハラジュク。今や参加イラストレーターは50人以上。平均で自分の作品9点をステッカーとして各5枚作製し、月間で1種類5枚以上売れたら合格ラインとなる。まさしくクリエイターの登竜門だ。

 今やMIJは全国の様々な場所で、クリエイターと小売店が協力し、その地域に関連したイラストのステッカーを作製、期間限定店を出して広がりつつある。上野の雑貨店では西郷さん、上野動物園などをモチーフにステッカーが作られた。MIJは5月1日、香港・ハーバーシティーのシブヤ109に期間限定店を出し、世界に向け日本のクリエイターを押し出す。

 発掘育成活動ではパルコグループの「シブカル祭」、伊勢丹新宿本店の「トーキョー解放区」などが有名だが、デザイナーやクリエイターを育てる登竜門となる小売業が減っているように思える。小売業でも自社に合うクリエイターの発掘と育成の取り組みが必要と強く感じる。(稔)



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