《視点》伊万里焼のランプ

2018/04/17 04:00 更新


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 先日、17世紀から18世紀に作られた古伊万里を見る機会があった。正月によく出てくる磁器の皿というくらいの知識しかなかったが、18世紀ごろに作られたランプ仕立てのつぼには驚いた。

 説明によると伊万里焼は江戸時代初期に生産が始まり、当時磁器の無かったヨーロッパや中近東に向けて長崎の中国商人やオランダ商人が輸出、貴族の宮殿を飾る目的で様々なものが作られたという。カラフルな模様の伊万里焼とランプを組み合わせた和洋折衷なデザインは、当時からヨーロッパなどのユーザーニーズを捉えようと苦心していた職人の息遣いを感じることができる。

 こうした名も無き職人たちのデザインへの貪欲(どんよく)な姿勢、精緻(せいち)な物作りを実現しようとする技術力は、現代日本の製造業の礎となっていると言っても過言ではないだろう。後継者不足や偽装問題などで製造業の危機が叫ばれている昨今。日本の物作りの強みはなんだったのかということに、昔のプロダクトから改めて気付かされることも多い。

(騎)



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