《視点》いろんな人がいるのが当たり前

2018/03/01 04:00 更新


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 取材先の企業で、管理職に昇進した女性と話す機会があった。その方の同僚に聞いても納得の人事だったという。「昇進されたのですね」と声をかけると、「私は結婚していないし、子供もいないから、これから続く後輩のロールモデルにはなりにくい」という反応が返ってきた。

 その言葉には後ろめたい感情が含まれていたわけではなく、単純にそう感じているのだろう。彼女がそう感じるのは、社内に女性の管理職が少なく、良くも悪くも目立ってしまうからではないか。

 子供がいる・いない、結婚している・していない、介護や看護が必要な人がいる・いない――など、様々な立場の女性が管理職になっていれば、この言葉は出てこなかったのではないか。

 働き方に対する制度整備や、技術革新による後押しは急速に進んでいる。ダイバーシティー(人材の多様性)も当たり前の言葉になった。女性管理職の数もかなりの企業で増えている。それなのに彼女のように考える女性がいる企業もまだまだある。昇進について声をかけた男性の中に、子供がいるかいないかに言及した人はほとんどいないのに。(壁)



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