《視点》企業の信頼

2017/10/27 04:00 更新


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 タカタ、東芝、三菱自動車、日産自動車、神戸製鋼所など大手企業の不祥事が相次いでいる。安全、安心の日本品質への信頼が揺らぎかねない事態だ。マンネリなのか、おごりか、気の緩みなのか、そこには長年の体質が生んだ根深い要因が潜んでいると思われる。

 決して他人事ではない。大手、中小の企業の規模を問わず、わずかの気の緩みが、長年の信頼を一気に突き崩し、企業の存亡に関わる重大事に発展する。多くの顧客に迷惑をかけ、社員の生活すら奪い、社会を不安に陥れるような事態を招くことにもつながる。

 今や繊維業界の中にあっても国内だけでなく海外での取引が増えている。まじめさと清廉(せいれん)さ、その姿勢が生み出す、確かな品質と安心・安全性への信頼は価格の高低に関係なく、「メイド・イン・ジャパン」として世界に認められ、広がっている。それだけに、一企業の過ちが大きな波紋を呼ぶことは間違いない。

 コストや売り上げ、保身を優先することでCSR(企業の社会的責任)をおざなりにすることは許されない。常に自社内の意識や体制を検証することを忘れてはならない。(英)



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