《視点》手間ひまが明暗分ける

2017/10/25 04:00 更新


画像はイメージです

 最近コンビニエンスストアが総菜の家庭料理感をうたっている。この販促の効果のほどは知らないが、利便性追求の流れの中で、手間ひまやぬくもりを打ち出すのは、これからの消費者の購買動向を考える上で興味深い。

 特にファッション企業やブランドが成長するために「手間ひま文化」を持っているか、持っていないかで、これから大きく明暗が分かれると思う。

 消費者の購買起点がスマートフォン検索となった今、自社スタッフよりも客の方が商品の知識を持っている場合もある。店舗で買うか、ECで買うかは、客にとっての利便性の選択になる。

 店舗に足を運ぶ客が望むのは「似合いそうか」を確認すること。商品の知識を長々と語られても、客は「すでにネットで調べている」わけで、無用な時間。それを超えて「より親身に、関係を縮めてくれるサービス」が大事。買ってもらうよりも、使ってもらえることを喜びに変えられるかの心の持ち方も重要だ。

 ECでは、商品発送にこそ企業やブランドのポリシーが表れる。商品のたたみ方、送付状、包装、配送期日対応まで、意外に細かなところまで顧客は見ている。まねされにくいサービスができる企業文化こそが、客をつなぎとめる。(疋)



この記事に関連する記事