《視点》ミレニアルズをつかめ

2017/06/23 04:00 更新


 「海外では、10~20代前半の消費意欲が日本の同世代とは全く違うことに驚きますよ」。先日、欧州を拠点とするグローバルECサイトでバイヤーをしている日本人と話した際に、そう言われた。日本では、「ヤングは服にお金をかけない」という共通認識ができあがっており、かつてのヤングブランドも軒並み対象年齢を高めている。

 しかし、彼のECサイトでは、各国のヤングが高額な人気ブランドをポンポン買っていくという。「ミレニアルズ(1980年ごろから2000年代初めに生まれた世代)と呼ばれるヤング世代は、知名度の低い高額なブランドでも気に入れば買う」のだとか。

 米国の消費リポートなどを読むと、「ミレニアルズをいかに取り込むか」が、ここ数年の大きな焦点になっていると気付く。しかし、以前はどうにもそれに実感が湧かなかった。日本国内だけを取材していると、ミレニアルズの消費パワーに接する機会がほぼ無いからだ。同様な業界人は多いのではないか。

 日本のアパレル市場は厳しい話題ばかりだが、バイヤーいわく、「世界に目を向ければ、ミレニアルズという市場がある」。もちろん、海外で売っていくことは容易でない。しかし、この追い風をつかむことができれば未来が開ける。

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