《視点》Cは左脳でコントロールしたい

2017/06/22 04:00 更新


 業界に「PDCAサイクル」という言葉は浸透した。しかし、真のPDCAを実行しているかとなると心もとない。特に判断すべき経営者が「C」で大きな間違いをしていると聞く。つまり、結果データを見て「自分の直感通りだった。すべてストップ!」と、結論付けるのだという。

 PDCAとは、計画(PLAN)→実行(DO)→検証(CHECK)→改善(ACTION)という流れの略。計画から実行がうまくいかない場合は、業務の流れや人員・体制での課題などがあぶり出される。

 その後の検証で、結果データを様々な角度で分析するわけだが、この段階をコントロールできていない企業が多い。例えば、社長や上役が「その計画をなぜ行うべきかを理解していない」「自身の意見と異なる計画」の場合、「仮説と方向性が一致」すれば「さらに改良して実行」となるが、マイナス結果の場合、「計画自体の停止」という結論に陥りやすい。

 この原因はやはり「データより直感重視」の姿勢だ。この業界は直感や感性を重視する右脳派が多い。しかし、データをしっかり分析し、改善点をあぶり出せるかは経営の根本だ。ここは左脳を存分に働かせる訓練をしたい。また、社長の顔色ばかりうかがっている幹部が多い企業ではPDCAがうまく回らない可能性が高いとも聞く。ご用心を。(疋)



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