〝超〟売り手市場の雇用情勢を受け、ユニフォームの存在意義を見直す動きが出ているようだ。
北海道・帯広の宮坂建設工業は、5年後の創業100年に向けて制服を刷新。建設業や自社のイメージ向上と、社員の意欲を高める狙いで、デザイナーの丸山敬太にデザインを依頼。東京で発表会見も開いた。学生に興味をもってもらい、従業員の満足度と定着率を高める武器として、制服を活用している。
ユニフォームメーカーのボンマックスは、ライセンス販売する「リー」の作業服の売れ行きが好調。脱サラした若い農家が主体の静岡の生産者団体は「みんなで楽しく、おしゃれに農業をしたい。格好から入る若い人が多いので」とリーを採用。従業員募集に効果があると、カフェや飲食店で採用する例も多いという。
従業員に付加価値を感じてほしいと、働き方改革や企業アイデンティティーの見直しを行う企業は多い。制服も福利厚生として支給するだけでなく、企業理念を表し、CSR(企業の社会的責任)の一環で社会から信頼を得るためのものと位置付け、更新する企業が増えているそうだ。不況で制服を廃止した企業が業績回復に伴い、制服を復活する流れもある。企業価値向上のために、制服を見直す動きに注目したい。
(陽)