ファッション産業人材育成機構からの要請で、いくつかの大学でファッションビジネス(FB)の入門講座を担当している。最近の授業は我々の時代とは大違いで、学生も真面目に講義に「出席」し、きちんと感想やリポートを提出してくれる。それが単位取得に必要である、という事情もあるようだが。
リポートを読むと、FBの発展に大きな可能性を感じる。講義は知名度の高いブランド(業態)を紹介しながら関心を引き、業界の現状や課題を提示。産業発展の可能性を話している。これに対して、学生のみなさんは身近なブランドへの親近感だけではなく、産業としての可能性も感じ取ってくれている。
例えば、エシカル(倫理的な)消費などCSR(企業の社会的責任)への深い関心。実店舗でモノを売るビジネスから、ECやコト(ライフスタイル)提案の必要性、それに不可欠なデジタルなどのテクノロジーへの驚き。さらには「越境EC」を含めた海外市場の可能性の実感、などなど。
そして「産業のイメージが大きく変わった」「未来の可能性を感じた」という感想。むろん、他産業を目指す参考にしているケースもある。それでも、若い感覚で次世代の産業を創造していこう、というエネルギーがあふれる。受け入れる企業側も大きな夢を語り、学生の期待を裏切らないでほしい。(矢)