米リユース大手のスレッドアップが、25年リセールリポートを発表した。それによると、グローバルな古着市場は29年に3670億ドル規模となり、グローバルなアパレル市場より2.7倍早く成長するとみられる。
米国の中古アパレル市場は29年に740億ドル、年平均9%ずつ伸びると予測。米国のオンラインリセール市場は29年までに400億ドルと24年の倍近くの規模になり、年平均13%ずつ伸びる見込みだ。
古着を買う理由で最も多かったのは「よりお得」。2位以下は「ハントするスリル」「高級ブランドでも買いやすい」「地球のためにいい」「他にないものを見つけるため」だった。
トランプ政権の関税政策に関しては、小売業界エグゼクティブの80%が「自分たちのグローバルなサプライチェーンが破壊される」、44%が「輸入品を減らす」、54%が「リセールはより安定していて予測しやすい」と答えた。一方、消費者の47%が「新品のアパレルを買おうとする時、リセールする時の価値は重要な購入理由になる」と答え、特に若い世代では64%にのぼる。「後で売れないから安くて品質の低い服を買うことを減らしている」と答えた消費者は49%で、若い世代では64%だった。
24年にブランドから直接古着を買った人は32%で、若い世代では47%。一方で小売業界エグゼクティブの86%が、「現在リセールを提供していなくて、どうやったらブランドのためにうまくできるのかわからない」と答えた。
ブランドが自社古着を消費者から引き取り、代わりにストアクレジットを提供するシステムは消費者に有効のようだ。若い世代の42%が昨年それをしたと答え、消費者の47%が「そのシステムがあれば、そのブランドから初めて買いやすい」と答えている。
スレッドアップで取引されている6万以上のブランドの中で、昨年最も取引されたのはアスレチックウェアの「ヴオリ」だった。2位以下は「ルルレモン・アスレティカ」、カシミヤブランドの「クインス」、サステイナブルが売りの「リフォメーション」、パリの「セザンヌ」、そして「パタゴニア」と続く。
リセール人気が最も上昇しているのは「ザ・リミテッド」。2位以下は「サンクチュアリ」「ルイ・ヴィトン」「スパンクス」「チャンピオン」が続いた。
若い世代の間ではソーシャルコマースを利用する人が増え、最も利用されているのは「フェイスブック・マーケットプレイス」。2位以下は「インスタグラム」「ティックトックショップ」「ユーチューブ」「ピンタレスト」だった。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)