ユナイテッドアローズは、全社向けオンライン研修を始めた。ピーシーフェーズ(東京)が提供するクラウド型動画研修サービス「shouin」(ショウイン)とグループウェア「マイクロソフト・チームス」を併用し、内定者と店長の研修を中心にオンラインで実施している。ショウインの動画での個人学習とチームスを使ったライブ研修を組み合わせた。研修の生産性向上が大きな狙いで、管理者はショウイン上で個人学習の進捗(しんちょく)を確認し促せる。受講者は端末を選ばず動画を閲覧できる。4月をめどに、各階層に向けたオンライン研修の体制を整える予定だ。
(監物敏充)
同社は全社教育を行う教育機関「束矢大学」でのオンライン研修の整備を進めている。19年10月に内定者教育向けにショウインを試験導入し、新型コロナウイルス拡大で20年4月に本格導入した。研修の生産性向上と内定者の不安解消のためだ。ショウインで月間テーマの動画を提供し、月1回チームス研修を数人ごとに実施する。入社前でも気軽に学べる環境をつくった。
店長研修は2日間の集合研修を4時間のチームス研修に替えた。受講者は1カ月前にショウインで提供される15の動画を学習して研修に臨む。動画は店舗運営に関わる人事、コンプライアンス(法令順守)、計画管理、社内規定などのポイントを伝えるもので繰り返し閲覧し理解度に合わせた学習ができる。ライブ研修はこれをベースにリーダーシップなどマインド面を重点に実施し、効果的な教育が可能だ。
小林貞裕販売支援部企画戦略推進担当は「かつて大きな費用がかかった教育動画が手軽に作成でき手軽に利用できるようになった」といい、「集合教育では資料配布していたが、若い世代には動画の方が相性がいい」と話す。アンケートでもコンパクトな動画での資料提供が好評だ。研修後の販売支援部への問い合わせも減った。
一方、チェックリスト・クイズで個人の進捗・理解度がショウインの管理画面から確認できる。直感的操作でコンテンツ作成でき、字幕作成も容易だ。動画レビュー機能で、接客時の笑顔の作り方や服の畳み方など月々の課題に対して内定者が動画を投稿し、管理者がコメントを返すことで学習後の成長が確認できる。
4月に向けて、新人・中堅・管理職それぞれに向けた動画教育の仕組みを整え、各店舗からiPadで見られる環境をつくる。スマートフォンでも閲覧できる。販売マニュアルでも動画利用の準備を進めている。文字・動画を適切に使い分け、接客を中心とした主体業務と付帯業務を分けたマニュアル作りに着手した。