ユナイテッドアローズが、自社ECの運営体制を変更する。ゾゾに委託していた自社ECの商品の配送、サイトの開発、カスタマーサポート業務を自社で行う。09年に自社ECをスタートした当初から「実店舗で培った接客やサービスを自社ECでも顧客に提供したいと考えていた」。自社主導に切り替える19年下期からは、自社のECと実店舗を切れ目なく結び、どちらで買っても顧客が満足できるサービスの提供を目指す。
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体制変更後は昨年5月にできた千葉県流山の物流拠点から自社ECの商品を発送するようになる。ECサイトの更新・変更なども自社の要望に応じて新たに組むパートナー企業が担う。ゾゾ側に委託していたECに関する顧客サポートも自社の窓口と一本化する。
ECモールとしてのゾゾタウンへの出店は継続するが、自社ECでは開発・運営体制を自前で構築し、買い物体験での実店舗との連動を強めたい考えだ。ECと実店舗を使い分けて買い物をする客に対して、どちらで購入しても満足でき、サービスレベルも変わらない買い物体験の提供を実現する。
EC経由で買った商品をサイズ直ししてから発送するサービスのアイテムを増やすことや、ネットで注文した商品の店頭での試着、実店舗を訪れた客がタブレット端末やスマートフォンのアプリで店頭在庫を確認できるサービスなども充実させていく。
すでに実店舗と自社ECの会員やポイントの統合もしており、ECで商品をチェックして来店した際、会員の買い上げデータを参照して最適な商品を店頭で提案することや、天候に応じて、ECと実店舗を使い分ける購買動向に対応したサービスの導入も検討している。
出店を継続するゾゾタウンに関して同社は「モールである彼らと自社ECで競うつもりはない」と強調する。集客力やサイト運用の巧みさ、発送のスピードなどゾゾタウンへの出店で得られる強みは生かしつつ、自社ECではこれまで以上の個別の顧客への独自のサービスを増やし、双方を伸ばしたい考えだ。
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詳細は近日中に繊研新聞と電子版に掲載する予定です。