東京テキスタイルスコープ26年春夏 国内の物作りを世界に発信

2025/05/14 18:00 更新NEW!


初日は朝からバイヤーや学生が来場してにぎわった

 総合素材展の東京テキスタイルスコープ(TTS)26年春夏が5月14日、東京都立産業貿易センター浜松町館で開幕した。プレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)とJFWジャパン・クリエーション(JFW-JC)を再編し、会場を変えて開かれた。原料などに特徴のある日本製の素材が多く揃い、TTSを起点に国内の物作りを世界に発信する。

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原料や技術で差別化

 モリリンは紡績に工夫して差別化した糸を提案している。国内市場が縮小する中、「原料からこだわりたい来場者とマッチングできれば」と期待する。日本の原料メーカーと組んだ糸もあり、その糸が海外に広まれば「産地の活性化にも貢献できるかもしれない」と考える。

 シルク主力の長谷川商店は、先染めシルクにシルケット加工を施したテキスタイルを改めて打ち出す。国内の限られた工場でしかできない技術は中国の高級アパレルメーカーからも引き合いがあり、海外への訴求も強める。

 「新規の来場客にも国内の技術や素材を知ってほしい」と話すのは国島。産地では海外のラグジュアリーブランドにオリジナルのテキスタイルをバイオーダーで作っていることも紹介し、産地に関心を持ってもらう機会にしたいという。

 サンウェルは法人向けの生地販売EC「サンウェルネット」の商材を日本と中国、タイにストックし取引先に訴求する目的で出展した。「中国でも小ロット短納期に対応する企業が増え、自社で購入してもらえるような価値をいかに加えるか」が現状の課題だ。日本製への需要は高まっている一方、産地を取り巻く環境は厳しさを増している。産地との連携を強め、「産地の目線に合わせた物作り」を進める。

相乗効果へ協業も

 他社と協業して商材を薦める出展者も見られた。松本商店は中伝毛織のウール地に京都の伝統的な墨流し技法やグラデーション染めで柄を描いた素材を提案する。ヤマサワプレスの自社ブランド「ワンオーファイブ・デニムトウキョウ」と組んだバッグも見せている。「産地企業のクリエイターが互いの素材で製品を作り、相乗効果を発揮できれば」と話す。



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