のみの市「ザ・トランクマーケット」 独自の魅力を発信

2018/05/28 06:27 更新


 〝ユニークでハイエンドなのみの市〟をコンセプトに、ファッションや飲食を中心に、生活雑貨から植物まで多彩な「ザ・トランクマーケット」(主催はうらぶくろ商店街振興組合、企画はT.T.M.企画室)が19、20日に広島市で開かれた。10度目の今回は、過去の有力出店者のほか、話題性のある初出店者が集まった。従来までの袋町公園に加え、福屋八丁堀本店屋上の2会場で行った。

(友森克樹)

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物を売るだけじゃない

 ザ・トランクマーケットは、袋町でセレクトショップ「レフ」など複数の専門店を経営するエヌの中本健吾CEO(最高経営責任者)が中心となって5年前にスタート。毎年5、11月の年2回、土日に開く。出店者数は平均70~75、来場者数は約2万人。県外からの出店、来場も多く、話題のイベントになっている。

2日目正午ごろの袋町公園を上から撮影。家族客を中心に終始にぎわっていた

 今回の出店者は78。ファッション関連では、「A.P.C.」「アトモス」「ザ・ノース・フェイス」「ネイバーフッド」「メゾンドリーファー」「ビズビム」など出店経験のある有力企業のほか、「パタゴニア」「ピルグリム・サーフ+サプライ」「ミノトール」「ミンナノポーター」などが初出店した。

 各社はこの日のために特別に商品を用意。ワークショップなど交流の場を設けるブースもあった。初日で商品が完売してしまう店もあるなど「この場でしか手に入らない」に消費意欲を喚起される人が多いことがうかがえた。

泥染め体験で来場者の関心を集めた「ビズビム」

 ネイバーフッドは、人気植物鉢「インビジブルインク」と協業した限定鉢(9000~4万円)を販売したところ、「行列ができ、初日で完売するほど好調だった」という。

 顧客との交流を重視するビズビムは、奄美大島から染色職人を招き、泥染め体験の場を提供した。来場者の関心を引き、実際に体験する人も多かった。

 初出店のパタゴニアは、8月末に中四国で初の直営店を袋町周辺に出す告知をかねて出店した。物販でも、「ブランドロゴ入りのTシャツ(4000~5000円)が家族客から好反応でよく売れた」という。「イベントのクオリティーが高く、来場者の数にも驚いた」と次回以降の出店にも前向きだった。

 ピルグリム・サーフ+サプライを出店したビームスは、ビーチサンダルのカスタムオーダーを実施。1足2700円という手頃さも受け、家族や女性客から好反応を得ていた。

ビーチサンダルのカスタムオーダーで来場者と交流した「ピルグリム・サーフ+サプライ」

夜になっても楽しめる

 今回初の試みとして、初日の午後6~11時に福屋八丁堀本店屋上でナイトマルシェ&パーティーを開いた。福屋は、屋上空間を活用したぜいたくで有意義な過ごし方の提案を目指し、4年前に福屋青空研究会を発足。20~40代の社員13人で屋上から百貨店を盛り上げよう、新たなことを始めようと、様々な仕掛けを打っている。

 今回は、その一環でザ・トランクマーケットとタッグを組んだ。地元飲食店のほか、アパレル関連では、ザ・ノース・フェイス、「サタデーズサーフニューヨーク」「フィンガリン」が出店。限定商品の販売やワークショップが盛況だった。トークショーやライブも行われ、「最後まで人々が滞在し、にぎわった。日頃、百貨店に来ない人に訪れていただけたことが良かった」(福屋担当者)という。

福屋八丁堀本店屋上で行われたナイトマルシェ&パーティー



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