「広島を路面店が生きる街に」 エヌCEOの中本健吾さん

2018/05/28 06:28 更新


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 広島市の袋町を起点に、周辺地域がファッション街としての活気を取り戻しつつある。立役者の1人が、袋町のセレクトショップ「レフ」など複数の専門店を運営する中本健吾エヌCEO(最高経営責任者)だ。地域の商店街組合と協力して5年前に開始したのみの市「ザ・トランクマーケット」(TTM)に県外のメーカー・ブランドの出店を呼びかけ、街のポテンシャルを体感してもらった後に路面店の出店を促す。この形式でこれまでに4ブランドが路面店を開設した。

(友森克樹)

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 袋町のすぐ近くには「並木通り」と呼ばれる全長約350メートルの通りがある。元は旅館などが多かったが、80年ごろからアパレル店が増え、若者が行き交うファッションストリートとしての地位を確立した。著名ブランドの直営店が軒を連ね、脇の路地に入るとローカルなファッション個店が並んでいた。

「レフ」の前で。左から、吉田の松原賢一郎部長、エヌの中本健吾CEO、グラフィックデザイナーのシンノスケさん、「ミンナノ」オーナーの中津川吾郎さん

まずは「のみの市」から

 現在もその名残りはあるものの、「昔の勢いは衰え、かつてのファッションストリートではなくなってきてしまった」。こうした現状を変えるため、13年にレフを開店、TTMを始めた。

 TTMは今月10回目を開催した。県内外から大勢が訪れるイベントへと成長。TTMへの出店を経て、「A.P.C.」「ザ・ノース・フェイススタンダード」「スポーツラボ・バイ・アトモス」「フッズ」が袋町周辺に路面店を開設した。今回、初出店した「パタゴニア」は8月に中四国で初の直営店を開く予定。「5年を経て、当初の理想に近付きつつある。今後5年間は路面店誘致のスピードを倍に上げていきたい」という。

21日から「レフ」店内に開設している「ミンナノポーター」の期間限定店

街の死は自分たちの死

 路面店の誘致のため、「出しやすい環境を整えている」。中本さん自身が、出店するブランドに合わせて物件を紹介、大家との家賃交渉まで付き合う。販売員の採用が困難なら、地元の販売代行業者も紹介するという。

 メジャーな店を誘致するだけではない。中本さんが興味を持つ店は、レフ店内に期間限定店の開設を促すこともある。今月のTTMに初出店した東京・池ノ上のセレクトショップ「ミンナノ」と吉田の「ポーター」が協業した「ミンナノポーター」は、TTM後の21日~6月1日までレフに期間限定店を出している。TTM同様、デイパック(2万円)やランチバッグなど特別色の限定商品を用意。初日の午前中は開店を待つ人もいるなど好反応を得ていた。

 セレクトショップを運営する身でありながら、有力店の誘致にためらいがないかを問うと、「大手が参入すれば、地元店も切磋琢磨してレベルが上がるはず。メジャーな店が広島にあることで中四国の他県から人が訪れる。メジャーを拒めば人が減り、街が死ぬ。そうすると自分たちも商売ができなくなる。だから僕は大手にどんどん出店して欲しい。競争が激しい環境の中で地元店として生き残りたい」と答えた。


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