TSIホールディングス(HD)は、今期(19年2月期)からスタートした3カ年の中期経営方針を明らかにした。「TSIHDとして分社化が進展したことで経費構造が重くなった。各事業会社の特性を生かしつつ、グループ全体を適正なまとまりとして再構築する必要がある」(上田谷真一社長)としている。新中期経営方針の重点は①赤字事業の根絶、組織構造改革②成長事業・成長領域への投資③事業会社が力を最大限に発揮できる連邦経営。
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赤字事業の根絶や組織改革は「構造的に競争力のないブランドについては見直す。今期をめどに完遂する」構え。既存の事業会社についても「ホールディングスの下に二十数社が文鎮型に配置されている状況を整理する必要がある」としている。
成長分野への投資については既存ブランドを中心に「顧客からのブランドロイヤルティーが高いブランドに対して、市場規模拡大に向けた投資を行う」としている。「パーリーゲイツ」や「マーガレットハウエル」「アドーア」「ステューシー」など数十億~150億円規模のブランドについては「国内での価格競争を避け、グローバルブランドとして海外市場戦略を強化する」。一方、「ナノ・ユニバース」「ナチュラルビューティーベーシック」など200億~300億円規模のブランドについては「独自性をさらに際立たせて、顧客からのロイヤルティー向上を目指す」考え。
持ち株会社による連邦経営施策は「これまでの本部主導の構造改革から、今後は各事業会社の主体性が発揮できる施策に切り替える。実行可能なレベルで現実的にまとめていく」構えだ。
ブランド事業戦略全体の方向性は「競合他社とのパワーゲームに巻き込まれる可能性の低いプレミアムプライスゾーンをターゲットにする」。EC、海外販売を視野に入れたプライス設定やメンズ、雑貨を強化し収益基盤の安定化を目指す。